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2021.04.01

個人でできる節税対策10選

4月になり新たな生活が始まった人も多いでしょう。また年度が変わり、昇給・昇格などで給与額が変わった人も多いと思います。
収入が増えるとその分、税金も高くなります。さらに、収入に応じて税率も変わってくるので、たくさんの収入を得るほど税率も高くなり、納税額はより高くなっていきます。

会社勤めの方の場合、納税は会社が代わって行うことが一般的ですので、給与から予め天引きされた状態で振り込まれます。そのため、「お給料が少ない」とは感じるけど、「税金が高い」とあまり感じていないかもしれません。
ですが、会社勤めの方でも確定申告を行うことで節税や還付が期待できます。

今回は、主に会社勤めの方でもできる節税対策についてご紹介します。

会社勤めでも確定申告をすると得をする?

会社勤めの場合、年末調整で数千円から数万円のお金が還付されます。
それ以上に還付されるものはないと思っていませんか?ここで紹介する方法を実践するだけで節税効果を得られるものがあります。
節税対策をしておけば、給与が上がらなくても手取りが増える可能性があります。ぜひ、確認をしてみましょう。

節税対策1 ふるさと納税

今や代表的な節税方法ともいえるふるさと納税。1月1日から12月31日までの間に任意の自治体に寄付した金額から2000円を引いた額がその年の所得税や翌年の住民税から控除されます。(控除上限あり)

また、寄付した自治体が5か所以内の場合は、確定申告の必要がない「ワンストップ特例制度」を利用することができます。

さらに、ふるさと納税は、各地域の特産品を貰える返礼品があるため、節税以外にもお得だと人気の制度となっています。

ただし、ふるさと納税は手取りが増えるわけではありませんので、控除上限や希望の返礼品などを事前に確認して、自身にメリットがある範囲を検討しましょう。
ふるさと納税の仕組みについては、まだ間に合う!「ふるさと納税」で税金を控除しようをご覧ください。

節税対策2 住宅ローン控除

住宅ローンを組んで自分が住むための家を購入した方や、ローンを組んで家を増改築した方は住宅ローン控除を受けることができます。
住宅ローンに関する控除ですので、該当する方は限られるかもしれませんが、金額が大きいため節税効果の大きい制度です。

また、控除を受ける最初の年は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で申告が可能ですので、1度申告をすればその後が楽なのも嬉しい点です。

節税対策3 生命保険料控除

生命保険は以下の3つが控除の対象となります。

  • 生命保険
  • 介護医療保険
  • 個人年金保険

これらは年末調整で申告ができ、それぞれ最大4万円、合計で最大12万円(住民税は合計で最大7万円)が所得から控除できます。納付した保険料がそのまま控除金額となるわけではありませんが、最低金額の決まりはありませんので、掛け金が少なくても申告するようにしましょう。

保険の相場や見直しについてもご紹介している記事があります。詳しくは保険に関する記事一覧からご覧ください。

節税対策4 地震保険控除

賃貸の家に住んでいる方でも、家の契約と同時に火災保険に加入している方は多いと思います。
火災保険は控除の対象になりませんが、一緒に地震保険に加入している場合、地震保険の部分は控除が可能です。

これも、年末近くになると保険会社から控除証明書が送られてきます。
最大5万円(住民税は最大2万5千円)が所得から控除されます。
生命保険料と併せると最大17万円となりますので、加入している方は忘れずに申告しましょう。

節税対策5 医療費控除

年間の医療費の合計が10万円を超える場合、超えた金額が所得から控除されます。
これは、年末調整では申告できず、自身で確定申告をすることになります。

健康保険に加入している方は、健康保険組合等から「医療費控除のお知らせ」が届きますので、内容を確認し、10万円を超えるようであれば忘れずに申告しましょう。最大で200万円まで控除されます。
ただし、医療保険の給付を受けた場合は、保険から補填した分を差し引く必要があります。

また、医療費控除を受けるほど高額な医療費を支払っていない場合でも、「セルフメディケーション税制」の対象である可能性があります。
こちらは、対象となる医薬品を1年間に1万2千円以上購入した場合に受けることができ、市販薬も対象となります。

医療費控除やセルフメディケーション税制の詳しい説明については、「医療費控除ができるものとできないもの」をご覧ください。

節税対策6 雑損控除

納税者本人、または納税者と生計を一にする配偶者その他親族(総所得金額が38万円以下の者)が災害や盗難によって損害を受けた場合、雑損控除を受けることができます。
控除対象は、住宅だけでなく、家財や衣服など生活に必要なものとなり、たとえば別荘のように趣味や娯楽のための不動産や、貴金属や骨とう品など1組が30万円を超えるものなどは対象外となります。

災害の範囲は、震災や台風、落雷などの自然災害のほかに、火災などの人災、害虫など生物による異常なども含まれます。
これに加え、盗難や横領によって受けた損害も控除することができますが、詐欺や恐喝が原因である損害には適用されません。

雑損控除は、次のどちらか多い金額が適用されます。

A:損失額-総所得金額×10%
B:損失額のうち災害関連支出の金額-5万円

※保険金や損害賠償等で補填を受けた場合、それらを差し引いた金額が損失額となります。

雑損控除額が所得額を上回ってしまい、控除しきれない場合、翌年以降、最大3年間まで繰り越すことができます。ただし、毎年確定申告が必要となります。

災害によって受けた損害が時価の2分の1以上なら「災害減免法」の適用の検討も

災害によって受けた損害が、時価の2分の1以上で、かつ災害にあった年の所得が1,000万円以下の場合、雑損控除か災害減免法のどちらかを選ぶことができます。
災害減免法を適用した場合、その年の所得税が軽減または免除されます。
金額は以下の通りです。

所得金額の合計額軽減又は免除される所得税の額
500万円以下所得税の額の全額
500万円を超え750万円以下所得税の額の2分の1
750万円を超え1,000万円以下所得税の額の4分の1
(国税庁HPより抜粋 / https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1902.htm

災害減免法は、損失が所得を上回ってしまっても翌年への繰り越しはありません。
どちらか有利になる方を選ぶことができますので、迷ったら税務署等へ相談をすると良いでしょう。

節税対策7 扶養控除

16歳以上で生計を一にする親族を扶養している場合、扶養控除を受けることができます。
夫婦共働きで、それぞれ所得税を支払っている場合には、収入の高い方が扶養控除を受けるようにすると、節税効果が高くなるでしょう。

節税対策8 寡婦(夫)控除

配偶者と離婚もしくは死別した後再婚しておらず生計を一にする扶養親族がいる場合、寡婦(夫)控除を受けることができます。
離別か死別か、また性別や年収によって控除額が変わります。
寡婦控除は年末調整で申告が可能です。

節税対策9 iDeCoやNISA

以前ご紹介したiDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAも節税効果を得られます。
iDeCoは掛け金が所得控除の対象となり、運用で得た利益も非課税です。さらに年金もしくは一時金を受け取る際にも「公的年金控除」の対象となり税制の優遇措置があります。

NISAは毎年新規投資額で120万円までの株式・投資信託などへの投資から得られる利益が最大5年間非課税となる制度です。
ただし、NISAの投資可能期間は2023年までとなっているので、これから検討する方は1年の投資可能金額は少なくなりますが、その代わり非課税期間が長い積み立てNISAを検討すると良いかもしれません。

iDeCoやNISAについての詳細は「iDeCoとNISAとは」でご紹介していますので、そちらもご覧ください。

節税対策10 税金の支払いをクレジットカード払いにする

最後は少し変わった方法ですが、税金の支払いをクレジットカードにすることで、クレジットカードのポイントを得ることができます。
納付額により決済手数料が数十円から数百円をかかりますが、所得税だけでなく、固定資産税や自動車税など、原則としてすべての税金を支払うことができるので、いつ・何を支払ったかの管理もしやすくなります。

まとめ

今回ご紹介した方法には、対象者が限られるものもありますが、金額の下限がないものやすぐに始められるものもあります。
ご自身の収入の状況に合わせて、可能な節税方法を試してみるのはいかがでしょうか。

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