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2022.04.01

あってよかった!不測の事態に備える「生活防衛資金」のツボ

急に大きな出費があったり、予期せず収入が減少すると、「どうにかしてお金を調達しなくちゃ」という思いが頭を占めることもあるでしょう。

そのような状況に陥っても自力で対処できるように、まずためておきたいお金である「生活防衛資金」について解説します。

貯金よりも先に、こちらを確保することから始めましょう。

貯金とは異なる「生活防衛資金」の持つ役目

生活防衛資金とは、突然の病気や事故、災害、失業などの“不測の事態”が起こったときに生活を守るためのお金のことで、緊急予備資金とも言います。

これからの人生で控えている、結婚、マイホーム購入、出産、子どもの進学などのライフイベントに向けて行う貯金などとは異なり、想定外の出来事に備えて手元に置いておく資金ということで、どちらかといえば保険のような立ち位置です。

事故や災害に遭ったときは、保険に入っていれば万が一のことが起きても保険金が受け取れますが、実際に保険金が下りるまでには時間を要するので、いったん、自分で立て替えることになります。

失業保険も、状況によって異なりますが、すぐには支給されないことが多いです。さらに、給付に条件があったり、受け取れる期間には限度もあります。

そこで、大事になるのが生活防衛資金です。生活を守るために、ある程度の“すぐに使えるお金”というのは必要なので、ライフイベントに向けた貯金や資産形成を行う前に、まず確保しておくのが望ましいでしょう。

生活防衛資金は最低3カ月分あると安心!

生活防衛資金の目安として言われているのは、生活費の3~6カ月分と幅広いです。必要な金額は、家族世帯や収入・支出の状況によって異なります。ここでは、独身の方の場合で説明します。

3カ月分あると安心

次のような方は、生活防衛資金として3カ月分確保しておけば安心です。

・実家などいざというときに頼れる場所がある

・単身世帯で扶養家族がいない

・会社員など、安定した収入のある職についている

・保険(医療保険、雇用保険、自動車保険、火災保険など)に加入している

6カ月分あると十分

次のような方は、生活防衛資金として6カ月分確保しておけば十分です。

・ローンを組んでいたり、奨学金の残りなど負債がある

・扶養家族がいる、親に仕送りなどしている

こんな人はさらに確保しておきたい

自営業、フリーランス、アルバイトなど収入が一定でない方は、生活防衛資金としてそれ以上確保しておくのが理想的です。

どのくらいの資金があればいざというときに安心かは人それぞれ。上記はあくまでも目安なので、ご自身の状況に合わせて、余裕をもって目標金額を設定しましょう。

生活防衛資金は手元にないと意味がない!

生活防衛資金は、すぐに使えるように手元に置いておくのが原則です。手元といっても、全額たんす預金をする必要はありません。投資や定期預金など現金を引き出すのに時間がかかるような方法ではなく、普通預金などいつでも現金化できる状況にあれば問題ありません。

まとまったお金は、ただ銀行の普通預金口座に預け入れるよりも、投資や定期預金など利息のつくもので管理した方がメリットが大きい場合もありますが、それではいざというときに直ちに生活を守れません。3カ月分はいつでも引き出せる口座に残しておくのが理想的です。残りの生活防衛資金額は運用しても構いませんが、リスクの高い金融商品の購入は控えるようにしましょう。

最近ではキャッシュレス決済を利用する方が多いですが、災害などでキャッシュレス決済が使用できなくなる場合を想定して、現金としてもいくらか手元において置くと、なお安心です。防犯上のリスクもあるので、1週間生活できるだけの金額があるとよいです。

生活防衛資金が役に立ったエピソード

実際に、生活防衛資金が役に立った事例をご紹介します。

急な出費に対応できた!

・Aさん 男性

連休中、自宅で転倒して腰を強打しました。立ち上がれなくなってしまったので、救急車を呼び休日・夜間診療へ行くことに。もちろん銀行は開いておらず、近所のコンビニのATMへすら自力で行けない状態だったので、自宅に生活防衛資金の一部として、現金で数万円ほど用意しておいて良かったです。

・Bさん 女性

急きょ友人へのご祝儀が必要になったときに役立ちました。必要になったときにお金を下ろしに行っても、新券で用意できるとは限らないので、そういったケースに備えて、手元に置いている生活防衛資金には、新券も準備しています。

生活に困ることなく転職活動に集中できた

・Cさん 男性

訳あって、勤めていた会社を退職しました。自己都合による退職かつ、被保険者期間が1年未満だったので、失業手当を受給できる対象ではなかったのですが、生活防衛資金が6カ月分ほどあったので、生活に困ることなく、転職活動に集中できました。

まとめ:「不測の事態は起こる」と考える

不測の事態が起こるのは、決して“万が一”などの少ない確率ではありません。まさに近年、新型コロナウイルスにより休業や失業に追い込まれ、収入が減少したり、失った方も多くいました。また、日本は比較的、地震や洪水など自然災害が起こりやすい地域でもあります。明日はわが身。不測の事態を自分事と捉えて、そうなっても対応できるだけの生活防衛資金を確保しておくと安心です。

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