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2022.10.03

先回りしてやっておく、老後に増える支出・減る支出のイメトレ

老後と言ってもまだまだ先のことだよ――

人間誰しもそう考えるものですが、その一方で時の流れの速さに驚いた経験が、また誰にもあるでしょう。

時間を制するものは人生を制する。

何事も、早めに準備しておくに越したことはありません。

歳を重ねると家計がどのように変化するのか、今のうちに先回りして、イメージトレーニングをしてみましょう。

「老後が始まる年齢」を予想する

老後のスタートを「老後資金を使い始める年齢」とすると、それはだいたい65歳、というデータがあります。

ある調査※によると、老後資金の使用開始年齢の平均は65.9歳。

細かく回答の内訳をみていくと、「65歳」が39.7%と最も多く、次いで「70歳」(20.9%)、「60歳」(14.4%)の順となっています。

※公益財団法人 生命保険文化センター 「生活保障に関する調査」(令和元年度)

平成5年(1993年)の同じ調査では、使用開始年齢の平均は最新の調査より2.5歳も若い63.4歳でした。

この時も最も多かった回答は「65歳」でしたが、2番目は「60歳」と答えた人で28.1%。

「70歳」は3番目で12.2%でした。

この30年間で、「60歳開始層」と「70歳開始層」の順番が逆転しています。

現役として働く期間は伸びつつあり、それに従って老後資金に手をつけ始める年齢も上がってきています。

増える支出項目をイメージしておく

老後生活が始まると、それまでは家計簿になかった支出項目が突如出現したり、そこまでお金がかからなかったものにお金を使わざるを得なくなったりします。

代表的なものを挙げてみます。

医療費・介護費

年齢を重ねれば、残念ながら大病を患う確率も高まり、同じような怪我でも治るまでに時間がかかるなど、若いころに比べると医療費は増えます。

入院や手術が必要になるケースも多くなります。

当然、医療費も増えると覚悟しておかなければなりません。

また、介護費についても頭に入れておきましょう。

訪問看護や、日常生活の支援が必要になった場合のデイサービスやショートステイなどの支出が発生します。

介護保険制度により費用の一部は給付されますが、無料ではなく1〜3割は自己負担が必要です。

冠婚葬祭に関する費用

親や兄弟、親戚が亡くなったら、葬儀代が発生します。

一般的な葬儀の場合、火葬場や式場の使用料、お花・祭壇など葬祭用品の費用、霊柩車やマイクロバスのチャーター費、戒名の料金など、多くの出費があります。

どのような葬儀を行うか、誰がどのような配分で負担するかによっても異なりますが、最低でも数十万円はかかると考えておいたほうがよいでしょう。

一方、おめでたい出来事にもお金はかかります。

子どもや親戚の子、孫などの結婚や出産、入学祝いなどがそうです。

人数がいればそれだけお金はかかってしまいますが、ハッピーなことには気持ちよくお金を使いたいもの。

忘れずに支出項目リストに加えておきましょう。

旅行や趣味にかかる費用

会社を退職したあとは、旅行や趣味を楽しむ時間がたっぷりできます。

これといった趣味がなく晴耕雨読を理想とする倹約家ならまだしも、友人との付き合いや、スポーツ活動、趣味などを楽しんでいると、現役時代より増えてしまうものもあります。

海外旅行のような大きなイベントに向けて貯めるほどの気合は必要ありませんが、余裕のある老後を過ごすためには、趣味のお金もあらかじめ項目立てて貯めるようにすれば心配は少なくてすみます。

長生きによる生活費

意外なところでは、長生きすることによる費用があります。

長寿はありがたいことですが、長生きするとそれだけで毎日の生活費がかかります。

「100歳まで生きる」と仮定して準備するのが、もう大げさではない時代なんですね。

若いうちから準備したお金で、不安なく生き生きと暮らす未来のあなたをイメージしてみましょう。

減る支出もチェックする

老後を迎えると、減る支出もあります。

社会保険料・税金

会社勤めの方の場合、この2つはそれまで給料から天引きされていたものです。

退職後は給料ではなく年金に対してかけられますが、通常は減ることがほとんどです。

厚生年金は遅くとも70歳でストップしますし、医療費の自己負担の割合も下がります。

年金の額によっては、所得税や住民税も大きく減ります。

仕事にかかっていた費用

いわゆるオフィスワーカーとして働いていた人は、ビジネスウェアを購入する必要がなくなるので、この費用は減ります。

特にお客様と対峙する営業職で、スーツやワイシャツなどは消耗品と考え定期的に新調していた方も、その費用はもうかかりません。

会社勤めでは多い同僚との飲み会といった交際費や、仕事のために購入していた書籍代も不要となります。

子どもの教育費

子どもがいる場合、学生を終え社会人になると、学費など教育費の支払いは晴れて卒業です。

子どもが同居していた場合は、独立すれば多少なりとも食費や光熱費なども下がるでしょう。

保険料

老後だからというわけではありませんが、払い込み期間が終了する保険があれば、その分の保険料はなくなります。

まとめ: 老後という“対戦相手”をしっかり研究するべし

老後が始まる年齢や、増える支出・減る支出について、大体のイメージができたでしょうか。

手を付けられそうなものがあったら、その項目のための準備を始めてみましょう。

ただし実際には、イメージした時と状況は変わります。

おそらく現実では、想定外の出来事に直面するでしょう。

だからといって、前もって準備することが無意味にはなりません。

老後は誰にとっても初めての対戦相手です。

出たとこ勝負にならないように、しっかり研究しウォーミングアップをしておきましょう。

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